厚生労働省は、「労働安全衛生規則第577条の２第３項の規定に基づきがん原性がある物として厚生労働大臣が定めるもの」について告示を行った。

今年５月に公布された「労働安全衛生規則等の一部を改正する省令」により、「労働安全衛生法」に基づく新たな化学物質管理が定められた。その一環として、事業者は、厚生労働大臣が定める「がん原性物質」について、これら物質を製造し、または取り扱う業務に従事する労働者の作業記録等を30年間保存することが義務付けられた。今回の告示では、がん原性物質の対象を定めている。

 

１．作業記録等の30年間保存が必要ながん原性物質の範囲

労働安全衛生法に基づきリスクアセスメントの実施が義務付けられているリスクアセスメント対象物のうち、国が行う化学物質の有害性の分類の結果、発がん性の区分が区分１に該当する物であって、令和3年3月31日までの間において当該区分に該当すると分類されたもの。区分１は、ヒトに対する発がん性が知られている又はおそらく発がん性がある物質が分類される。

ただし、以下のものおよび事業者が上記物質を臨時に取り扱う場合を除く。

・エタノール

・特別管理物質

 

２．施行期日等

適用日：令和５年４月１日

 

・がん原性物質の対象物質の一覧はホームページの別添３に記載されている。

・国によるGHS分類結果によって、発がん性区分１に該当するがん原性物質が追加・変更された

場合、告示改正により、それら物質を順次追加していく。

 

(出典：「労働安全衛生規則に基づき作業記録等の30年間保存が必要ながん原性物質を定める告示を行いました」報道発表資料｜厚生労働省、https://www.mhlw.go.jp/content/11305000/001029770.pdf)